スダ・ドアカの聖機兵ガンレックス。画面を見る限り、その内部は機械構造である。
 と、いう事は、神は機械を作れたという事になる。
 なぜ機械なのか?

 
島国たる武者世界には、以前よりいくらかの機械が存在するも、天宮は明らかに大陸移動による移民である為、文化はどこからか持ち込まれた物に他ならない。しかし、人類発祥の地たるスダ・ドアカワールドの文化は他所ではなくその地で出来上がった物であり、存在する最古の機械とは、聖機兵がそれにあたる。

 聖機兵は邪神であれ、とにかく神が作り、その力が宿っている事が条件である。『聖機兵』という名称はガンレックス・ルーンレックスのみだが、他にも神が作った機兵は機兵の谷にて発掘された機兵も聖機兵の部類に入る。 機械である機兵が神と崇められたのは、聖機兵が「自分達にない技術によって生み出された物」だったからに他ならない。
 人間は、自分達の常識と比較し、あるいは人間の歴史において存在しない物体のことを『オーパーツ(未確認物体)』として表現する。
「機械」とゆう物が存在しない時代において、未知なる姿と神たるスペリオルドラゴンと同じ顔をした聖機兵は、まさしく神の化身その物だったに違いない。
『神が創りたもう』という言葉のとおり、その製法は一切の謎に包まれているが、しかし、人は進化と共に聖機兵が「機械」である事を知る。

 神が作りし機兵の代表的な物に、「ガンレックス」「ルーンレックス」そして「サイコゴーレム」がある。

 上級ランクと思われるのがガンレックス&ルーンレックス。神に選ばれた一握りの存在しか扱えない。確認されるパイロットは二通り。精霊王などの半分が人と異なる者。もう一つは特定のアイテムによって何らかの力を与えられた者。詳しくは「聖機兵操手基準」を参照の事。
 下級ランクがサイコゴーレム。与えられた命令をこなす、極めて単純なシステムをもつ。
 サイコゴーレムは身体を自然物で構成されている、日本古来の木製からくり人形みたいな物。本体は額の水晶で、そこが核。水晶を持つ事によって持っている人の意思・新たなプログラムに反応して色々と効果を発揮する、「捨てた後にも便利に使おう」タイプの本当の使い捨て。暴走したサイコゴーレムの停止方法として光の弓矢が存在。余談だが、ガンキラーもサイコガンダムと同ランクの小型下級聖機兵と見られる。(任務はルーンレックスの警護と復活時のエネルギー補給)

 現時点までの機兵は燃料で動き、パーツ交換も人の手によっておこなわれる。化石燃料で動く車が近い例えであろう。
 人が作り上げる機兵の最終形態。それは聖機兵に限りなく近い機兵である。消費する化石燃料を使わず、パーツ整備を必要としない、事故回復を可能とする有機質の体こそが、聖機兵が聖機兵たる存在の意味である。
  聖機兵という、『神』が作りたもうた機械は古代より戦い続けていたという神の所業に必ず現れる存在。しかし、神々は機兵に類似した姿を取る。これは十二神達が普段は己の体を分離し、肉体の大部分を聖獣としているからである。
 すなわち、機兵と操者の間柄。聖機兵はこの【神の姿】を模した機械である、というのが始まりであると思われる。そして聖機兵操縦には特定の『選ばれた者』が必要であるのも、聖機兵に搭乗するという事自体が【神の代理人】であることに他ならない。
 聖機兵ガンレックスは本来、『精霊王』となりうる『運命の三騎士』が搭乗するべくさだめられている。精霊王そのものが神の代理人であるのだが、ここまで書いておきながら何故神が、何故天使族のように【己が肉体を機兵の姿】にする方法でなく、機械という方法をとったのか明らかにされていない。

 従来人の進化とは何かしらの物を真似ることで始まる。芸術しかり、勉学もである。この場合聖機兵とは、その存在そのものが学ぶべき物であり、ダバード王国を初め機兵を元にして様々な技術を模倣する事で技術進化のきっかけとなる描写が多く書かれている。

 騎士・武者世界における機械技術の下地となる聖機兵。 その後、機兵作りは全土に広まり、騎士の国ブリティスにも機兵が誕生した。同時代の天宮では機兵をより小型化、かつ独特の制御システム(鉄機心得)により「心」をもった機兵・鉄機武者を開発する。
 いわば聖機兵とは、神々の手足として置かれた存在であると同時に、人類の技術発展の為地上に使わした機械技術の雛形であるという推測がなりたつ。


 そしてスダ・ドアカワールドの住民よりも、いち早く最終形態まで機兵を進化させたのが、『月の王国』で作られた【神秘機兵】と、
嵐の一族に伝わる【龍機】である
 
これらは聖機兵と類似した性能を持つが、神秘機兵と龍機に神の力が宿ったとは一言も書かれていない。
 この件に関しては【外伝戦記戦国伝が同一世界である理由】との合同追加解説として書き加えた【全ての世界を繋ぐモノ〜機械テクノロジー】を参照。