スダ・ドアカワールドの神は12神と呼ばれている。
 そして、それぞれの神がスペリオルドラゴンとブロックガンのように反発しあう属性を持ち、互いの組み合わせ同士で戦いつづけているとゆう。
 だがここで、矛盾する事が無いだろうか?
 神々の数は12である。反発するという事は、最低二人一組二の倍数で無くてはならない。
 それでは善と悪に分かれる神は常に争い、止めるものが居なくなってしまう。
 では何故12か?

 神とは、それ自体が一つの完成された存在であり、絶大なる力の持ち主である。
 もし、反発しあう神全てが戦い続ければ、創造せし世界は戦乱の渦に巻き込まれ、混沌の世となるだろう。世界とは、神々のバランスが保ってこそ平和な世界となるのだ。(円卓の騎士編など、神から見れば平和な風景に見えるだろう)だが、逆に戦わなければ他の神々との力のバランスが崩れ、やはり世界が崩れてしまう。
 そこで、神々が勝手に争わないよう管理をする人物が登場するという訳である。ギリシャ神話で言う大神ゼウスのような存在である。
 そうすれば、元となる11神のうち争いを続ける神は5対5となり、管理者1でバランスが取れるのだ。
 だが、これでもまだ問題がある。善と呼ばれる神の中に、スペリオルドラゴンと相反する存在である暗黒卿は「神」と呼ばれていない。
 さて、これはどうゆう事か?

 神々の戦いとは、世界を安定に保つのに必要な事。しかし、直に戦ってはやはり世界は荒廃してしまう。
 そこで現われるのが『代理戦争』である。巨大な力を持つ神同士が直接戦うのではなく、各自勢力の配下同士によっての戦争ならば、直接のぶつかりが無い為に荒廃や滅亡という最悪の状態を回避する。いわば聖戦(宗教戦争)である。
 それぞれの神は自身の力の一部(聖機兵・神器等)を各地に置き、それらが地上生命の手に渡って相反する神の力を持つ多種族との接触によって戦争を起こすという、気の長いのか自分勝手なのか、そのような戦法を取る事である。
 スダ・ドアカの伝承では、聖機兵伝説は正義と悪の神の争いとされている。しかし、聖機兵そのものに他神製造製が多数ある為、必ずしも全ての争いが二人の神のみの争いとは限らない。(そもそも、伝説という物語はどこか事実と違っている物、後世の人が勝手に解釈したり変更したりもする)
 神々の争いは、場合によっては大光帝頑駄無・頑駄無闇大帝といった心を持つ聖機兵によってこまこました争いをする場合もある。(自身の部下三人衆に玉集めさせるという、神の闘いと言うよりゲーム)
 これは古くからの十字軍遠征などによる『神の御名において』という言葉に代表されるように、神の意思とやらを代弁する行為である。
ここで話を終わらせてしまえば『神は無情だ』と思われるだろう。しかし、神も又いい加減では無く、代理戦争となる地上を守る為、とある二人を地上に遣わした。
 二人はそれぞれ、善神・悪神の守護を受けた一族の元へ現れ、時には化身となって地上に降り立ち、影となり地上の補佐を行っていた。
 すなわち、スペリオルドラゴンと暗黒卿であり、12と13番目の神である。
 二神はスダ・ドアカでは、人間族・MS族、ジオン・ネオジオンといった善神、悪神を崇拝する種族の「神」として崇められていた。
 暗黒卿についての詳しい詳細は不明だが、スダ・ドアカではスペリオルドラゴンを広く神として祭っている。これは、過去のスダ・ドアカの代理戦争において、スペリオルドラゴンが守護する陣営が勝利を収めたからである。もし、世界が暗黒卿の守護する種族が勝ち続ければ、逆にスペリオルドラゴンは神の座から追放され、彼自身が「忌むべき存在」となってしまう。
 彼らは、神々が代理戦争を行う再、地上生命が神の思い通りに動き、かつ悟られないように操作する目的を持つ。
 スペリオルドラゴンはある地上生命と同じ顔をしている。「ガンダム族」である。
 正しくは「MS族ガンダム種」と表現すれば正しいのだろうが、彼ら二神は「ガンダム」と同じ姿をしており、各地にはガンダム族が「勇者の血統」として尊敬され残っている。この事は俗に闇の一族と呼ばれるジオン族にも共通する。(ジオン族とネオジオン族は別種である)
そして、ガンダム種が他の種族と比べ少数であるが、個人のもつ能力は他の一族よりはるかに高いという事も神格化の一旦である。(実際、スダ・ドアカの二神以外はガンダムの顔をしていない)
 しかし、これだけではガンダム種が「伝説の勇者」と呼ばれるには無理がある。それだけでは、この種族にはそういう伝説がある、程度しかない。
 そこで何千年、何万年かのサイクルで行われる神々の争いの中で一度、分裂し地上に降り立つ。
 それが、ラクロアに伝わる伝説の勇者「騎士ガンダム」であり、ジオン魔王「サタンガンダム」である。ラクロアにスペリオルドラゴンの一部を具現化した「三種の神器」が伝わっている以上、何らかのつながりは存在する。

「騎士ガンダム」と「サタンガンダム」は海を渡った「異国」とよばれる国に住む「真悪参」が前身とされている。
 これは彼が、ジークジオン編以前のガンダム種において「悪」の心を持っていたからである。真悪参がいた時代は、スダ・ドアカではジオン族が現れる前である。よって、スダ・ドアカは平和そのもの。
 時代も「ジークジオン編」以前なので、F90Uが家出をしなければ、GP‐02が力を欲しがろうとしない。生まれてすらいないので、スダ・ドアカでは悪の心を持つガンダムがいないのである。
 よって、地上で唯一戦乱を迎えていた天宮の中で「悪」の心をもつ真悪参を選んだのだ。
 では、なぜ善神に使えるスペリオルドラゴンが悪の心を必要とするのか?
 人の心理において、悪とは「欲」と密接な関係を持っている。しかしこの良くは、人の要求する意思の表れでもあり、正義もまた個人や大多数からの要求( 欲) である。また、悪か正義かは結果であり、結果としてサタンガンダムが勝利した場合はジオン族の要求が正義となり、ユニオン側は悪となる。
 当時のガンダムの中から真悪参を選んだのも、スペリオルドラゴンとしての記憶を封印し、善神・悪神それぞれが守護する陣営のガンダムとして存在する為には、「善」と「悪」の心を等しく知らなければならない。
 画面上では彼は稲妻と共に消えたとされているが、真悪参とスペリオルドラゴンとの間には何らかのやり取り程度はあったと思われる。
 彼の時代から「ジークジオン編」の時代において、二人のガンダムが一つの存在、スペリオルドラゴンとなってからは、過去の時代にもいたであろう、スペリオルドラゴンと同化した他のガンダムと共に、スペリオルドラゴンの意識と同化した物なのか、あるいは分離したのかは不明である(真悪参は子孫が確認されているが、融合前か跡かは不明)。

 しかし、この神々の代理戦争にも一旦のピリオドが打たれる。
 暗黒卿が、何を考えたか主神から与えられた任務を放棄し、完全なる神になろうとスペリオルドラゴンを消滅しようとしたのだ。
 しかし、スダ・ドアカにはスペリオルドラゴンが育んだ力強い生命、新生シャッフルナイツが立ち上がり、暗黒卿を消滅。
 神の定義において、『滅ぼす』とは、地上への具現化する力を失い、姿を表せなくなってしまう。(黄金神話でのスペリオルドラゴンの状態)
 しかし、『消滅』は存在自体を抹消し、未来永劫復活できなくなる。つまり、永遠なる沈黙である。
これにより、暗黒神はその活動停止を余儀なくされ、世界は善神による平和な時代を向かえる。

 だが、悪神との全面的な争いが無くなった為神々のバランスが崩れ、善神に仕える物同士の闘い(天使族の内乱)や、異星の侵略者(天魔大帝)らが訪れる。その反面、機械技術が爆発的に進化・発展し、魔法技術はすたれてしまう。魔法は善神ばかりがもたらすものではなく、中には悪の神を必要とする魔法も存在する。しかし、悪の神が活動を抑えた為、善の神もその活動を休止する。一部の魔法には神の力が左右するので、神の力が弱まる、または神そのものが消滅してしまえば衰退は免れない。
 かつて「魔法」であった物は、やがて一部の存在、コマンドF90のような『戦神』とよばれる僅かな一族と、神に選ばれた子のみが使う「超パワー」と姿を変える。