この話は『外伝・戦記・戦国伝が同一世界である理由』と
機兵起源』の合同追加解説です
使われている解説の説明用前提は各自の項目を参考してください

 今までの考査により、それぞれの世界が同一時間軸でもって繋がっている事は立証された。
 しかし、根本的な疑問という難点はまだ残っている。【機兵起源】を参考にしてもらうが、聖機兵そのものは神が作り出した機械である。

 しかし、騎士・武者世界ではこれら『神の作りたもうた聖機兵』とはまったく縁のない、現代よりもなおテクノロジーが進んだ文明人が作り出した産物がいくつか登場する。文明人とは誰か、今までに判明していたケースが二つだけある。

@月の民セレネス
 ダバードの対ネオジオン戦役より数年後に現れた謎の青年ネオ。彼は太古の昔に天体たる「月」に存在し、今は滅亡した『セレネス王国』の第二王子である。滅亡したという時期がスダ・ドアカに文明が存在する以前であると解っていたが、それが具体的にどの時期かはわかっていない。
 しかし、彼と第一王子の兄が所有する機甲神は、現行のどの機兵よりも聖機兵により近い性能を所持した上で作られ、聖機兵の模造というよりも、聖機兵と同等かやや劣る程度の性能を持っている。これは『神が創りたもう』聖機兵を、人が作り上げる事ができたという事実に他ならない。

A錬金術師
 新世大将軍が最後に統治していた時代に起きた【天の島】事件。はるか天空より落下してきた島により、各地に多大な被害を及ぼしたこれが島と呼ばれるその理由は、内部に何らかの文明跡が存在していたからだ。
 その文明とは、何か。【天の島】の住民達が残したテクノロジーの一端が天宮に存在していた。その名は【太陽鋼砲】。今日の歴史では【機動武者 大鋼】として名を残している。
 二代目大将軍統治時代、からくり技師【火炎の駄舞留精太】が何らかの方法で設計図を手に入れ、復元した巨大ロボットである。
 しかし元の設計図は破損があった為、駄舞留精太は自分なりのセンスを付加し復元した。後の世、数十年後には実用され、百年付近では量産化、武者世界の【現代】ではさらに進化を遂げた大鋼を雛形にした小型バリエーション【鉄機武者】達。しかしその性能は聖機兵には及ばない。ただし、元となる大鋼の【設計図が不完全】である以上、本来の性能が正しく伝わらなかったのならば、どうだろう。


 二つのケースに共通するのは、はるか過去に滅亡しているという点。かつて月の王国セレネスがデラーズ王国によって壊滅した事から、太古の昔に月付近で大規模な戦争が起きていた事は明確である。セレネスの民は王子以外にも脱出したであろうし、『月の民』を意味する一団が武者世界に存在する
 スタ・ドアカに文明が存在する以前、初めて文明というものが存在したのは、この月の民の落下が最初である。
 月の民はどこに行ったのか、後の世に【天の島】は古代錬金術師達によって作り上げられたスペースコロニー群である事が判明した以上、月の民は『古代錬金術師』として分類される。

 ラクロア王国のサイコゴーレム。ダバード王国の聖機兵ガンレックス・ルーンレックス・ガンキラー。ダバード以外の国家でそれぞれ保管されていた機甲神。機兵の谷で大量に発掘された機兵郡。黒守暴穏島の頑駄無大光帝・闇大帝頑駄無。
 最初聖機兵が『あった』スダ・ドアカから人類が分布したとすると、聖機兵ないし、聖機兵に近い技術で作り出した機兵が特定の地域ごとに分布存在している図が地図で確認できる。理由として騎士世界・武者世界の機械テクノロジーとはすなわち人類の分布とシンクロすると憶測が立ち、これを断片的に証明する事実が近年発表された。

 騎士・武者世界よりも遥か遠き未来、SDコマンド戦記の時代で二人のガンダムが異世界に飛ばされた。そこはメビウス銀河と呼ばれる銀河系の話なのだか、実はこの世界、異次元なのではなく、騎士世界よりもなお過去の世界にタイムスリップしていたという事実が明らかとなった。
 何故タイムスリップしていたという事がわかったのかといと、メビウス銀河の住民の一人、『竜の戦士』と呼ばれる古代英雄の末裔『ドラグナージーク』という青年が、スダ・ドアカの雷の一族の開祖であって、一族はドラグナージークの子孫である事が判明したからだ。
 雷の一族は聖地リガマウンテンにて【龍機】という謎の機兵を所有している。最大のドラグーンパレスは機兵であると同時に城=飛行能力を有する住居であり、先祖代々受け継がれているとの事。
 先祖すなわち開祖ドラグナージークがこのスダ・ドアカに持ち込んだ物に他ならない。ドラグナージークが何故スダ・ドアカに訪れたのかどうか理由は不明だが、訪れた以上、『スダ・ドアカが存在する惑星』を知る理由が存在する。
 その理由によってだが、古代錬金術師という存在は、セレネス王国・デラーズ王国など【太陽系(仮名)に存在する惑星国家】及び【交流を持つ別銀河の住民】であって、聖機兵と呼ばれる機兵の一部は【未開発惑星に対する惑星開発の技術集団とかそういうの】が持ち込んだ結果となりうる。


 すなわち騎士・武者世界での機械技術とは、@セレネス王家の落下Aドラグナージーク等の異星人来訪という二種によって外部から持ち込まれた物に現地の神がもたらした機械の恵みがブレンドした結果であって、文化そのものには惑星外の文明人が干渉し大鋼・機甲神とし痕跡が残っている事となる。
 そして文明人が天宮に配置していたそれが【太陽鋼砲】であるならば、『聖機兵が存在していた場所を基点として、聖機兵に近い技術で作り出した機兵が人間の移動によって分布されていた=機械製造テクノロジーを持っていた文明人が存在し、その名残の技術が各地に残っている』という仮説が通る。月の民以外が滅亡した或は騎士・武者世界の惑星から撤退したかは定かではない。

 大鋼の設計図が天宮語で書かれていた以上、大鋼の設計図を書いた錬金術師は天宮大陸の文明と密接な関係を持った錬金術師であったのは他ならない。なおかつ設計図が所々欠けており、装甲も駄舞留精太が後に独自のからくり技術によって追加個人製作したという以上、大鋼の外見は製作者がたぶんこうだろうと憶測した上で天宮流の美的センスでもって作られた物であり、当初の外装とはデザインが違っていても不思議ではない。

 同じ理屈でスダ・ドアカに降り立った錬金術師(セレネス王国)はスダ・ドアカに文明が発祥する前に来たと言えども、ユニオン族やMS族となる原始人は存在している。王子以外にも落下=避難した者もいる為(子孫と思われる人物も登場)、スダ・ドアカ文化が発生した際に干渉したという事も考えられる。明らかにされていない『デラーズ王国がセレネス征服からダバード侵攻まで果てしなく長い』理由と『ネオは今までどうやって過ごして来たか』についてだが、デラーズ王国侵攻のそもそもの理由がジークジオンの思念によって操られた事が原因である。
 つまりデラーズ王国はジークジオンに操られるまで、宇宙空間で悪政なりなんなり普通に過ごしていた。その際に月の民の技術を奪い取り、機甲神のパイロットである第一王子ルナを配下としている。
 月の王子を残したのも、機甲神はセレネス王族の思念にのみ反応する=セレネス王族のDNAを持つ者以外は動かせない為である。かつその制御には機甲神の中枢であるエルガイヤーに王族が搭乗しなくてはならず、唯一捕獲に成功したアルテイヤーではそれを行えず、エルガイヤーを筆頭に残りの機兵を連れて落ち延びた第二王子ネオを探す必要があった。これらはデラーズ王国の技術でもってアルテイヤーを模倣したガゼルバイヤーを製作したが、機甲神そのものに遠く及ばなかった事が物語っている。後にアルテイヤーを思念が出せるエルガイヤー風に改造するも、DNAロックは外れなかった
 デラーズ王がジークジオンに操られた際にどうにかして機甲神の行方を知るネオを発見し現在に至るという推測が、ドラグナージークの一件によりかみ合い始めた歯車によって導かれる。

 龍機も雷の一族だけが使えるという事から、ドラグナージークの遺伝子情報によるDNAロックが施されている事が目に見えている。竜の戦士という元の一族がどのようなのか解らないが、もし、グレートパンクラチオンとその後の話が明らかとなったとしたら、龍機が登場する事も十二分に考えられる。雷龍剣が起動キーの役割を持っているのは劇中の通りだが、ここにドラグナージークのDNA認知機能も持つとしたら、当初の伝承者戦で勝利したヴイスクエアではなくゼロを選んだのも納得ができる。雷龍剣を手放した後でも呼び出せるのは、初期起動と共にDNAが追加登録でもされたのだろう。

 月の民落下の時点ですら、惑星・銀河系単位で騎士・武者世界よりもなおテクノロジーの進んだ惑星は存在、それなりの文化交流が存在していた。はたして十二神がこれをどのような視点で見ていたのは解らないが、ヘリオス銀河の神々が平然と機械技術世界で光臨していたりする所を見ると、十二神も異星人を受け入れている様子。